年収より『給与外比率』がFIREを決める — 家計の本当の体力
年収の高さだけでなく、給与以外の収入比率をどう高めるかを、税・社会保険料・家計防衛・働き方の選択肢という観点から整理します。
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年収は強いが、万能ではない
年収が高いことは、もちろん強いです。投資元本を作りやすく、住宅ローンや教育費にも対応しやすい。ただ、家計の耐久力として見たとき、年収だけでは本当の体力は分かりません。
給与所得は、所得税、住民税、社会保険料などを通った後に手取りになります。負担率は所得、扶養、自治体、制度変更などで変わるため一概には言えませんが、額面が増えた分だけ自由に使えるお金が同じ勢いで増えるわけではありません。配当など給与外収入の税制は、たとえば国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」など、該当する所得区分ごとの公式情報を確認してください。
さらに、年収が上がると生活固定費も上がりやすい。住居、車、外食、習い事、保険。収入増より支出増の方が自然に発生する場面もあります。気づいたら「稼いでいるのに余らない」状態になります。
給与外比率という見方
給与外比率は、ざっくり次のように置けます。
給与外比率 = 給与以外の年間収入 ÷ 家計の年間総収入ここでいう給与以外の収入には、配当、利子、事業所得、不動産所得、原稿料などが入り得ます。ただし、税務上の分類や申告方法は個別事情で変わります。この記事は制度の一般論であり、税務判断は国税庁や税理士などの専門家情報を確認してください。
僕がこの指標を好きなのは、生活の自由度を測りやすいからです。給与外比率が0%なら、生活費は勤務先からの給与にほぼ依存します。10%なら、教育費や旅行費の一部を別収入で支えられるかもしれない。30%を超えてくると、働き方を選ぶ余地が少しずつ出てきます。
もちろん、比率を上げること自体が目的ではありません。怪しい高利回り商品に手を出したり、生活の余白を削りすぎる副業を選んだりすれば、本末転倒です。構造として見るだけで、特定の投資商品や副業を推奨する話ではありません。
所得分散は家計のリスク管理
会社経営では、売上の柱が1社だけ、1商品だけ、1チャネルだけだと怖い。どれだけ今の売上が大きくても、取引先の方針変更や市場変化で一気に揺れます。家計も同じです。
配当は企業業績や市場環境で変わります。事業所得は顧客や競争環境に左右されます。不動産所得も空室、修繕、金利、税務の影響を受けます。どれも安定を約束するものではありません。それでも、収入源を複数に分ける考え方は、家計の耐久力を上げる方向に働きやすいと見ています。
家計での実装ステップ
では、普通の家計で何をするか。僕なら、いきなり商品選びから入りません。まず数字を出します。
1つ目は、年間の手取りを把握すること。源泉徴収票、住民税、社会保険料、賞与、児童手当などを含めて、家計に入った実額を見る。
2つ目は、年間固定費を出すこと。住宅、保険、通信、車、教育費、サブスク、習い事。ここを見ないと、FIREに必要な生活費が読めません。
3つ目は、給与外収入を1円単位で分けて記録すること。配当、ポイント収入、メルカリ、原稿料、事業収入など、性質が違うものを混ぜない。税務上の扱いも変わり得るので、記録を残すことが大事です。
4つ目は、生活に負荷をかけない範囲で増やすこと。時間も資本です。副業で睡眠を削り、生活が荒れるなら、その収入は高くついている可能性があります。ここはほんまに冷静に見た方がいい。
目標は独立ではなく、選択肢
FIREという言葉は、会社を辞めることに寄りがちです。でも僕は、いきなり退職をゴールに置くより、選択肢を増やす方が現実的やと思う。
給与外比率が上がると、転職で少し年収が下がっても許容できるかもしれない。働く時間を調整できるかもしれない。大きな支出が重なる時期に働き方を変えられるかもしれない。これは資産額だけでは測れない自由です。
年収は大事です。ただ、年収だけを追うと、家計が会社に深く結びつきすぎることがあります。給与外比率は、その結びつきを少しずつ緩めるためのメーターです。