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EIU『世界で最も住みやすい都市』2025年版:1位コペンハーゲン、大阪7位・東京13位の理由

英エコノミスト系EIUが173都市を5項目で採点する『世界で最も住みやすい都市』2025年版。1位はコペンハーゲン、ウィーンは陥落、アジア唯一のトップ10は大阪。東京との差や評価方法の読み方まで解説します。

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結論:これは「駐在員から見た暮らしやすさ」の指数

EIU『世界で最も住みやすい都市(Global Liveability Index)』は、英エコノミスト・グループの調査部門が毎年発表する都市ランキングです。世界173都市を、安定(治安)・医療・文化と環境・教育・インフラの5項目で採点し、100点満点で順位づけします。

2025年版(2025年6月発表)の1位はデンマークのコペンハーゲン(98.0点)。長年トップだったウィーンは2位へ陥落しました。アジアで唯一トップ10に入ったのは**大阪(7位・96.0点)**で、東京は13位です。

大事なのは、このランキングが「観光地として魅力的な街」でも「物価が安く住みやすい街」でもないこと。本来は多国籍企業が駐在員手当を決めるための業務用指標で、評価しているのは治安・医療・教育・インフラといった生活基盤の安定度です。順位そのものより、各都市の「項目別スコア」を読むほうが実態が見えます。

どんなランキングか/集計方法

発表元はEIU(Economist Intelligence Unit)。英経済誌『エコノミスト』を擁するエコノミスト・グループの調査・分析部門です。2025年版は173都市を対象に、2025年6月17〜18日ごろに公表されました。

採点は次の5項目で行われ、それぞれに重み(ウェイト)が設定されています。総合点は100点満点です。

評価項目重み主に見るもの
安定(Stability)25%犯罪・テロ・紛争・社会不安のリスク
文化と環境(Culture & Environment)25%気候・腐敗・宗教/言論の自由・娯楽・食
医療(Healthcare)20%公的/私的医療の質とアクセス
インフラ(Infrastructure)20%交通・通信・住宅・電力・水道
教育(Education)10%公教育・私教育の質と利用しやすさ

各項目はさらに細かい指標(合計30以上)に分かれ、専門家の評価と統計の組み合わせで点数化されます。治安(安定)と文化・環境がそれぞれ25%と最も重く、教育は10%と軽いのが特徴です。つまり治安が崩れると総合順位は大きく動きやすい設計になっています。

注意したいのは、家賃・物価・税金・言語・ビザのしやすさは評価対象外だという点。「安全で生活基盤が整った大都市」を測る指標であって、「安く住める街」ランキングではありません。

トップ10(2025年版)

順位都市総合点一言
1コペンハーゲンデンマーク98.0安定・教育・インフラで満点
2ウィーンオーストリア97.13連覇から陥落、治安スコア低下
2チューリッヒスイス97.1ウィーンと同点で2位
4メルボルンオーストラリア97.0かつての常連、安定の高評価
5ジュネーブスイス96.8スイス2都市が上位に
6シドニーオーストラリア96.6豪州勢の強さが目立つ
7大阪日本96.0アジア唯一のトップ10
7オークランドニュージーランド96.0大阪と同点で7位
9アデレードオーストラリア95.9豪州から4都市目
10バンクーバーカナダ95.8北米から唯一のトップ10

トップ10は西欧・オセアニア・日加が独占。とりわけオーストラリアはメルボルン・シドニー・アデレードの3都市が入り、存在感が際立ちます。

全体の傾向

1. 「停滞」の年だった

2025年版の世界平均点は76.1点で、前年と横ばい。医療や教育の改善が進む一方で、治安(安定)スコアの悪化がそれを相殺し、世界全体としては足踏みした、というのがEIUの分析です。地政学的緊張、テロ脅威、各地の社会不安、住宅難が背景に挙げられています。

2. 順位を動かすのは「治安」

上位の総合点はどれも95〜98点台に密集しており、差はごくわずか。そのなかで順位を入れ替えるのは、ほとんどが安定(治安)スコアの増減です。後述するウィーンの陥落が典型で、治安の重み25%が効いています。

3. 西欧は「強さ」と「ほころび」が同居

コペンハーゲン首位、チューリッヒ・ジュネーブの上位入りなど西欧は依然強い一方、テロ脅威や社会不安で安定スコアを落とす都市も出ています。英国の都市は2024年の暴動の影響で評価を下げたと報じられました。

4. オセアニアの安定感

オーストラリアとニュージーランドは、広い居住空間・低い人口密度・整った公共サービスで毎年安定して上位に入ります。2025年もトップ10に豪州3+NZ1の計4都市が並びました。

5. 中東・アジアは「明暗」

中東・北アフリカは投資で底上げが進む都市がある一方、アジア太平洋は明暗が分かれました。豪州勢が好調な反面、軍事的リスクを理由にインドや台湾の一部都市が評価を下げています。

主要都市の位置づけ(上位+日本+下位)

全173都市の完全な順位表はEIUの公式リリースおよびWikipediaに掲載されています(本記事は信頼できる二次情報で確認できた範囲を扱います)。ここでは押さえておきたい都市を挙げます。

  • コペンハーゲン(1位):安定・教育・インフラで満点。総合98.0点で唯一の頭一つ抜けた存在。
  • ウィーン(2位):2022〜2024年の首位から陥落。治安スコアの低下が響いた。
  • チューリッヒ/ジュネーブ(2位・5位):スイス2都市が上位。医療・インフラの質が高い。
  • メルボルン/シドニー/アデレード(4・6・9位):オーストラリアの常連。安定感が武器。
  • 大阪(7位・96.0点):アジア唯一のトップ10。安定・医療・教育で満点、インフラ96.4点、文化と環境86.8点。
  • オークランド(7位):大阪と同点。NZの代表格。
  • バンクーバー(10位):北米唯一のトップ10。
  • 東京(13位):トップ10には届かず。大阪との差は主に治安・インフラのスコア。
  • 下位の都市:最下位は内戦の影響が続くダマスカス(シリア)。リビアのトリポリ、バングラデシュのダッカ、パキスタンのカラチ、ウクライナのキーウなどが最下層に並びます。紛争・テロ・社会不安が安定スコアを大きく押し下げています。

議論・批判:ウィーン陥落と「指標の限界」

2025年版で最も話題になったのが、ウィーンの首位陥落です。2022〜2024年に「世界一住みやすい都市」を続けてきた同市は、2025年は2位に下がりました。分析記事によれば、原因は安定(治安)スコアが満点100から95.0へ低下したこと。2024年夏にテイラー・スウィフトの公演が爆破予告で中止になった件や、市内の鉄道駅を狙ったテロ計画が摘発された件などが影響したとされます。総合点自体は依然トップクラスで、「わずかな治安減点が首位を奪った」形です。

ここに、このランキングの構造的な特徴がよく表れています。上位都市の総合点は団子状態で、治安スコアが少し動くだけで順位が入れ替わる。「順位が下がった=暮らしにくくなった」とは限りません。

そもそもこの指数には、物価・家賃・税負担・言語・ビザのしやすさが含まれていません。上位の街はどこも生活コストが高く、「住みやすい」=「安く住める」ではない点は繰り返し指摘されます。あくまで駐在員の生活基盤を測る業務指標として読むのが妥当です。

日本の読者向け:大阪が東京を抜いた理由

日本人の関心が高いのは、やはり大阪7位・東京13位という結果でしょう。長く「日本といえば東京」というイメージがあるなかで、住みやすさ指数では大阪が上に来ました。

  • 大阪(7位・96.0点):安定・医療・教育で満点、インフラ96.4点、文化と環境86.8点。アジアで唯一トップ10に入った都市です。
  • 東京(13位):総合点は高いものの、報道では治安・インフラのスコアで大阪にわずかに及ばなかったとされます。世界有数の過密都市ゆえの混雑や環境面の負荷も背景に挙げられています。

ただし、これは「東京より大阪が暮らしやすい」と断ずるものではありません。スコア差はごく小さく、項目別の細かな採点が順位を分けただけです。どちらも世界的には極めて上位の安全・快適な都市である、という事実のほうが本質的です。

「世界の街と暮らしを知る」という意味では、海外文学を通して都市や時代の空気に触れるのも面白い切り口です。読書から世界を広げたい方は、ガーディアン『史上最高の小説100選』完全ガイドもどうぞ。

まとめ:順位ではなく「項目別スコア」で読む

EIUの住みやすさ指数は、毎年ニュースになる一方で誤読されやすいランキングです。使いこなすコツは3つ。

  1. 「駐在員視点の生活基盤」指数だと割り切る。観光魅力でも物価の安さでもない。
  2. 順位より項目別スコアを見る。治安25%・文化と環境25%の重みが大きく、治安が少し動くと順位は簡単に入れ替わる。
  3. 移住検討には別物差しを足す。家賃・物価・税・言語・ビザはこの指数の外。上位都市はたいてい生活コストが高い。

そのうえで、コペンハーゲンやウィーン、大阪が並ぶトップ層は、世界的に見て「安全で生活基盤が整った街」であることは確か。旅先選びや海外勤務の下調べの「最初の一歩」として、項目別の数字を眺めてみてください。


出典:本記事はEIU(Economist Intelligence Unit)『Global Liveability Index 2025』(2025年6月発表、173都市対象)について、Wikipedia「Global Liveability Index」Time Out(2025年6月17日)Movingto による分析記事(2025年)で内容を確認して作成しました。順位・スコアは2025年版の数値です。

Primary sources

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About the author
Toshi Time編集部

新NISA・iDeCo・配当・年金・退職金を、制度と税引後キャッシュフローの観点から整理します。社会保険料や取り崩し順序を含むシミュレーションを発信。※金融商品取引業の登録はなく、個別銘柄の推奨や投資助言は行いません。

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